Executive Officer Interview
創業120年企業の変革期。
コクヨの強みを磨き抜いて新たな礎にする。
創業120年企業の変革期。
コクヨの強みを磨き抜いて
新たな礎にする。
越川 康成
執行役員
ヒューマン&カルチャー本部長
コクヨアカデミア学長
※取材当時
Profile
01
大手アパレル企業にてグローバル企業に成長するまでの人事・経営変革を経験。その後飲食チェーンを全国展開する大手ホールディングスの執行役員を経て、2023年1月にコクヨに執行役員 ヒューマン&カルチャー本部長として就任。社内の働き方改革やダイバーシティを推進するWell-being部会の会長も務める。
Executive Officer Interview
02
-
今までにない視点を持つ人材が
さらなる企業成長に不可欠コクヨは2021年に長期ビジョンで掲げた「2030年売上高5,000億円」を目指して、会社全体の構造から事業部レベルまで変革の真っただ中にあります。
事業領域を文房具や家具などプロダクトの枠組みから、ワークスタイル領域とライフスタイル領域へ拡大させ、より広い範囲でコクヨの提供価値を打ち出していこうとしています。各事業では、海外市場への進出、AIやデータテクノロジーを使った新たなシステム基盤の構築など、既存事業の拡大や新規事業の創出に向けてさまざまな変革が生まれています。そんな変革期を迎えているコクヨが近年重要視していることの1つがキャリア採用です。
これまでは、文房具やオフィス家具など強固な勝ちパターンのある既存事業の成長が主で、その事業に長く関わる人材が成長を支えてきました。しかし、事業環境や価値観の変化スピードはすさまじく、働き方も学び方も暮らし方も日々アップデートされ続けている中で、変化に対して新たなチャレンジをしていくために、これまでのコクヨになかった視点や考え方、ノウハウが必要になります。
キャリア入社していただく方には、前職で培った経験やスキルを用いて、コクヨの持つ強みをスケールアップさせる存在であってほしいんです。そういった方々が自分のポテンシャルを存分に発揮いただくために、コクヨとしてどのような場を提供すべきか。ヒューマン&カルチャー本部を中心に日々議論と実験を続けています。 -
社員一人ひとりが輝けるキャリアを。
個人・チーム・人事が三位一体の体制づくり。社員一人ひとりが輝ける
キャリアを。
個人・チーム・人事が
三位一体の体制づくり。一昔前の日本の会社では、一人ひとりの個性や価値観よりは、会社都合で異動や転勤があり、自分の意志よりも社命に従うということが当たり前だったと思います。ですが、そのような体制では社員の持つポテンシャルを十分に発揮してもらうことは難しいです。
コクヨは企業理念として「be Unique」を掲げており、一人ひとりの個性や価値観を互いに理解し合い自分らしくあることを大切にしており、社員自身がどのような強みを持っていて、どのようなチャレンジを望んでいるか、個人の想いに向き合うことに力点を置く人材マネジメントを強化しています。
取り組みの1つとして社員一人ひとりのキャリアを考える場である「人事育成会議」があります。社員本人の360度フィードバックやパーソナリティアセスメントなどのデータや上司の考える育成プラン、周囲からの評価など、あらゆる視点から得た情報をもとに、本人が最も輝けるキャリアとは何かを議論する場です。
また、そういった会議体だけで議論するのではなく、本人が自己のキャリアについて向き合い、フランクに上司と会話していることが理想です。そういった環境を整えるべく、現在若手社員とその上司を対象に「キャリアと自己成長」をテーマに「Kokuyo Career Dock」というプログラムを実施しています。部下と上司、お互いを深く理解するためには対話が必要で、対話をするためには自分の中の考えをきちんと言語化することが必要です。最初は部下と上司で分かれて研修を行い、部下側には今後チャレンジしたいことや課題について、上司側にはどのような育成やコミュニケーションが必要になるかを考えてもらいます。それぞれが考えたことを、日常の1on1の中で共有し合い、相互理解を深めていく。これを3カ月間繰り返します。このプログラムを今後、対象を拡大していく予定です。
当プログラムのような内省とコミュニケーションの機会づくりを通して、誰もが自分のワークとライフがどうあるべきかに向き合い、その実現をバックアップしていける組織でありたいと考えています。 -
画一的な制度では不十分。
直接対話を通じて本質的な課題に切り込む。画一的な制度では不十分。
直接対話を通じて
本質的な課題に切り込む。近年、よく聞かれるようになった「Well-being」。身体的・精神的・社会的に良好な状態を指します。人生の多くの仕事をワークに割くからこそ、会社は社員一人ひとりのWell-beingを後押しできる存在でなければなりません。コクヨでも「Well-being部会」が設立され、新しい働き方の提案やダイバーシティ&インクルージョンの実現に向けて活発に議論や取り組みを行っています。
Well-beingに対して積極的に取り組んでいる背景として、世の中の「働く」に対する捉え方をアップデートしたいという想いがあります。資本主義的な高効率・高利益を追求する働き方だと、働くことに楽しみを見出すということよりも、働くことはやらなければならないことという受け止め方が当たり前のようになりがちです。ワーク&ライフスタイルカンパニーとして、やりがいを見出して仕事をしたいから仕事をする社員を1人でも多く増やしたい。そんな想いを踏まえて、ワークもライフも両方が豊かになる活動を積極的に行っています。
理想のワークやライフのあり方は人によって大きく異なります。育児支援制度1つとっても、「ありがたい」と感じてもらえる人もいれば、「使いにくい」と感じる人もいます。社員にとって働きやすい環境を提供するためには、画一的な制度や施策では十分ではなく、さまざまな価値観や働き方を実現できる多様なアプローチが必要と考えています。
そのため、対話し続けることが最も大事なことだと考えています。例えば最近は子育て世代の社員と経営陣とでタウンホールミーティングを実施しました。そこで話したのは最近導入したベビーシッターや家事代行の補助トライアルについて。「ありがたい」との声が上がった一方で、「補助を増やしたとしても業務量が増えてしまうと『ベビーシッターを使っているのに両立できないの?』と周囲に思われかねない」といった懸念の声も上がりました。ただ補助を増やせばよいわけではないことは重々承知していましたが、取り組むべき課題の本質にリーチしなければならないと、改めて感じています。実験的に制度やサポートを導入していくことも大切ですが、実際に制度を使っている社員と直接コミュニケーションを取らなければわからないこともたくさんあります。子育て世代だけではなく、若手やベテラン、介護中の社員など様々なライフステージの方々と対話を繰り返しながら、働きやすい環境を整えていくつもりです。 -
歴史ある企業で変革の当事者に。
自分の手でコクヨの新たな礎を築く面白み。歴史ある企業で変革の当事者に。
自分の手でコクヨの
新たな礎を築く面白み。2025年にコクヨは創業120周年を迎えます。その大きな節目を迎えるに当たって、未来のコクヨがどのような企業であるべきか、どのような価値を生み出すべきか、会社全体で答えを出そうとしているタイミングです。
そんな大転換期に変革の当事者として参加する。ベンチャー企業でも普通の大手企業でもできない経験がコクヨで体感できると私は信じています。これまでコクヨは文房具や家具といった既存事業を成長させる中で、膨大な知見とノウハウを積み上げてきました。しかし10年後も100年後も活躍し続ける企業であるためには、これまでにはなかった新たな勝ち筋を見つけていく必要があります。そのために私たちが求めているのが、今までのコクヨになかった経験やノウハウを持った方々。当社にない視点をコクヨの強みと掛け合わせながら、今までにない価値をつくり上げていってほしいです。
コクヨの強みをさらにスケールアップしてもらうためには、コクヨの魅力に共感していただくことが重要だと考えています。コクヨが100年以上大切にし続けてきたこと。それは損得勘定にとらわれず、お客様や世の中の課題解決に真摯に向き合うことです。コクヨで生み出されているプロダクトやサービスのほとんどは「コクヨとして何ができるのか?」を問い続けた末に生まれたもの。そういったコクヨらしい誠実な姿勢に共感した上で、「自分の経験と掛け合わせたら、もっと面白いことができるんじゃないか?」とワクワクしていただける方こそ、コクヨという実験場を楽しめる人材だと思います。今私たちが取り組んでいるのは、コクヨにとって次の50年の礎となる変革です。一人ひとりが挑戦した変革が証しとしてコクヨに残り続けていく。そこに面白みややりがいを見出してくれる方をお待ちしています。
Data of KOKUYO
04
データで見るコクヨ
Data of
KOKUYO
Other Contents
06